Education教育・新人レポート

新人看護師の成長 No.7 「その時は突然に…人工呼吸器持ってきて!」
新人看護師の成長 No.7 「その時は突然に…人工呼吸器持ってきて!」

みなさんこんにちは。看護部教育担当です。

朝晩は冷え込むようになり、寒暖差が大きい今日この頃ですが、風邪などひかれていませんか。藤が丘病院前の銀杏並木はまだ緑色ですが、11月には美しい紅葉に変化します。寒いのは苦手ですが、楽しみの一つです。

 10月の新人看護師の研修内容をお伝えします。10月はメンタルヘルス研修、栄養状態のアセスメント、人工呼吸器の取り扱いについて集合研修を行いました。

メンタルヘルス研修では、自分の心と向き合い、客観的な視点で振り返りをしました。今回は第3回となりますが、より広い視野と深い思慮を持って自分へのアドバイスを考えることができました。

栄養状態のアセスメントでは、基本的な知識や栄養状態の評価ツールについて、摂食・嚥下認定看護師から指導を受けました。栄養状態のアセスメントは非常に重要な項目です。以前に実施した嚥下機能の評価と合わせ、安全な食事の援助について、知識を深めることができました。

人工呼吸器の取り扱いは、臨床工学技士を講師に招き、呼吸器の適応やモード、回路についての研修です。クリティカルのイメージがある呼吸器ですが、7月に実施したBLS研修同様、急変対応の一連の行為として、新人看護師でも対応を求められます。初期対応時の知識や、看護について学びました。

はじめてみる器械に戸惑いながらも真剣な表情です。

~新人看護師の成長度について~

10月に入り、プリセプター支援から、チーム支援が中心となりました。これまで、チームメンバーとの橋渡し役をしていたプリセプターも、チームメンバーとして支援を続けています。後期に入り、できること、任されることも増えてきていますが、徐々に頼れる存在へと成長しています。

さて、新人看護師の成長について、今月は手術室のIさんへインタビューです。

手術室と聞いて、みなさんはどのような印象を持ちますか?手術室看護師の役割はなかなかイメージがしにくいかもしれません。Iさんは手術室へ配属希望だったそうです。

きっかけは、小さいときに見たテレビで「こういう仕事がしたい」というイメージがあり、親族の手術をきっかけに「クリティカル部門に関わりたい」と思うようになったそうです。そんなIさんへの質問です。

Q、手術室ではどのような学習が必要ですか?
A、「術式マニュアルや器械、解剖整理を学習し、手術中も操作を見て理解を深めています。事前に先輩から指導を受けますが、重要なこと、調べておくことなど整理して自己学習もしています。」

先輩看護師が外回り業務の中、見守っています。

今回は繊細な器械を取り扱う手術です。術者は手元を見ないので、確実に器械を渡します。

Q、患者さんとの関わりがあまりないのでは、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、どのような関わりをしていますか。
A、「緊張している患者さんの不安、緊張が軽減できるよう、優しく声をかける、手を握るなど安心感を与えられるように行動しています。関わる時間は短くても、様々な情報から個別性をとらえることを今後も大切にしたいと思っています。」

Q、現在の学習の到達度はいかがですか
A、消化器外科や婦人科、耳鼻科の手術を習得し、現在は整形外科を強化しています。身体の部位により器械も異なるため、少しずつ慣れるよう頑張っています。今後は病棟研修の予定もあるので、手術室では実践が難しい看護技術も習得することが今の目標です。

真剣なまなざしと、冷静な受け渡し、整理された器械台から、Iさんが様々な思考を張り巡らし、学習と観察を重ねた努力が伝わってきました。手術室では、術式別にラダーが設定されており、1年間で術式ラダーⅠの習得を目指しています。現在は計画通り進捗しているそうです。今後も成長を見守りたいと思います。

次回は、看護倫理、逝去時の看護についてお伝えします。