Education教育・新人レポート

新人看護師の成長 No.8 「考えよう、倫理問題と看護について」
新人看護師の成長 No.8 「考えよう、倫理問題と看護について」

みなさんこんにちは。昭和大学藤が丘病院教育担当です。

今年も残すところ1カ月となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。今期の冬も昨年度に続き、比較的寒い冬になるそうです。体調を崩さぬよう暖かくして、元気に年を越したいですね。

さて、今月も新人看護師の成長の様子をお伝えしたいと思います。集合研修では高齢者、認知症患者の看護、看護倫理、逝去時の看護について集合研修を行いました。

認知症ケアチーム看護師による講義では、認知症の中核症状と周辺症状について学び、効果的な介入方法について学びました。

看護倫理については、今回が2回目の研修となります。今回は、概論的な講義からステップアップし、事例をもとに倫理カンファレンスを行う研修です。先ず4つの倫理原則に対しする、患者さんにとっての利点、欠点を考え、倫理的問題がどこに生じているのか、相反する原則は何かを明らかにしていきます。患者さんが大切にしている事、それを尊重することで生じるジレンマに気づき、それぞれが悩みながらも自分たちの考えを発表することが出来ました。

次に、逝去時の看護研修です。例年、逝去時の看護は新人看護師の実践経験が少ないことから、基本技術項目としての知識と技術が不十分と言える状況であったため企画した研修です。基本的技術はナーシングスキルの視聴と、患者さん、ご家族の悲嘆のプロセス、グリーフケアについて講義を実施しました。演習では、患者さんとご家族が、臨終の際にどのような思いを抱いているか個々が考え、看護師役、患者さん役(観察者)、ご家族役に分かれ、シミュレーションを行いました。経験の有無に関わらず、どのような声掛け、配慮をするか考えることが出来ました。

~新人看護師の成長度について~

11月に入り、新人看護師バッジが外れ「新人として見られなくなるんですよね。少し心細いです。」など不安の声も聞かれましたが、いざ外れてみると、「大きな変化はないですけど、患者さんから見たら先輩も私も同じ看護師として見られるので頑張らないと。」「責任を実感しています。」など、頼もしい反応がありました。また、看護技術研修は今月が最後でしたが、11月の研修時には、実践経験を踏まえ、考え、意見交換し、発表することがスムーズにできるようになり、新人看護師の成長を実感しています。

 

さて、今回も病棟で活躍する新人看護師の成長をお届けします。11月は、脳神経センターのKさんにインタビューしました。

 

Q、高齢者、倫理の研修を受けて変化はありましたか?
A、脳神経センターでは、身体抑制具を使用することがあり、抑制の必要性や妥当性を考え るようになりました。倫理カンファレンスにも参加しており、先輩の意見を聴くのもとても勉強になります。

 

Q、現在どのような患者さんを担当していますか。
A、脳動脈瘤、脳梗塞、脳出血の患者さんを日勤では6人担当しています。担当する患者さんが増えたので、多重課題になることもあり大変に感じることもありますが、スケジュール管理が上手くできた時は、仕事が楽しいと感じます。

 

Q、スケジュール管理のコツはありますか
A、業務前、優先順位をつけてスケジュールを整理します。悩むときは先輩に相談したり、フォローしてもらいながら、患者さんを待たせずに、予定通り行動できるようになりました。

 

Q、新人看護師バッジが外れて、変化はありますか
A、プリセプター支援からチームの支援となりましたが、大きな変化はありません。プリセプターさんも気にかけてくださり心強いです。バッジが外れ、新人看護師という目では見られなくなるので、責任を持って今後も頑張りたいです。

プリセプターがバッジに鋏をいれています

無事にバッジが外れました!白衣に残る縫い跡が感慨深いです

 

Q、12月の目標はありますか

A、達成できていない基本技術項目を中心に学習します。また、疾患の学習と、看護実践が結びつけられるよう学習したいと思います。

 

 

しっかりと自分の目標を持ち、学習と仕事を両立しているKさんでした。穏やかな印象のKさん、きっと患者さんもその笑顔で安心できることと思います。確かな知識と技術と優しい笑顔で、今後も頑張って欲しいと思います。

 

 

次回12月の研修は最後の集合研修となります。新人看護師の成長した姿をしっかりとお伝えしていきます。それでは少し気が早いですが、良いお年をお迎えください。