がん看護専門看護師

専門・認定（分野）を目指した理由

地元の大学病院に就職し、消化器外科病棟で、早期から終末期にあるがん患者のケアに従事しました。その際に辛く苦しむ若年から高齢のがん患者を目の当たりにし、「看護とは何か、もっと自分にできることがあるのではないか」と、自分の無力さも実感しました。誰かに相談したいと思った時、当時の院内には、がん看護専門看護師や認定看護師などがおらず、専門的な立場から助言を受ける機会がありませんでした。そのため、まずは自分ががん看護を専門的に学びがん看護にいかしたいしたいと思い進学しました。

主な活動内容

組織横断的なポジションで、自分の部署だけでなく、病院全体とコミュニケーションができる立ち位置で活動をしています。その時の世の中の流れやがん患者のニーズを捉え、院内のがん医療やがん看護のシステムを改変したり、創造する役割があります。具体的な活動としては、”がん看護外来”でがん患者のつらさ、悩み、苦悩をともに考え、緩和したり解決に導くことができるように支援をしています。

今後の目標

2人に1人ががん患者と言われる時代となり、がん治療もますます進歩し、「がん＝死」の時代ではなくなりました。そのため、仕事や子育てなど社会的な役割を持ちながら治療を受ける患者、超高齢社会で認知機能や身体機能の低下する中で治療を受ける患者など、がん患者の背景も非常に複雑になっています。「自分の人生を自分らしく歩みながら治療を継続できる」ように、一人でも多くのがん患者の支援ができるようなシステムを引き続き構築していきたいと思います。

専門・認定看護師を目指している人へのアドバイス

目の前の患者のつらさや苦悩を理解しようとすること、それが”看護の始まり”だと私は思います。一人一人の患者の人生に寄り添うとき、”自分に何ができるか、それは今の自分の力で十分か”、私はいつも問いかけています。専門看護師になる道のりは決して簡単ではありません。しかし、自分が根拠をもってケアをすることで患者の笑顔が少しでも取り戻せることができるとすれば、とても素敵なことだと思いませんか…。